落語会の感想

本光寺寄席に行ってきた

10月17日の土曜日、小つると勢朝のき楽寄席の終演後、片づけを他のスタッフに任せて、私は勢朝さんと小つるさんを小松の本光寺寄席の会場までお送りして、会場セッティングのお手伝いをしたりしながら、19時からの会を楽しませていただきました。

「本光寺寄席」小松市本折町 本光寺 19時から 入場無料
ちしゃ医者 小つる
松山鏡 勢朝
南京玉簾 勢朝

先日から喉の調子が悪かったという小つる師匠も、昼の会は何とか乗り切り、夜は大丈夫か?と心配させられましたが、全然大丈夫で、どんどん調子が上がっていました。ちしゃ医者、面白かったあ。楽しそうに駕籠を担ぐ医者の先生がキュート(笑)。久しぶりに間近で正面から小つる師匠の落語を見ましたが、顔の表情やら全体の仕草やら、やっぱりいいねえ。

勢朝師匠の松山鏡も、良かった。登場人物達の鏡を見た瞬間の、驚きとか焼きもちとか、そういう表現が特に面白かった。うまいなあと唸る所も随所にありました。

そして南京玉簾。去年もやってましたが、今年初めてのお客さんも多いということで、今回もご披露。山の架け橋が出来んといって繰り返すのは、何度見てもマジに見えますね。本当に焦ってるみたい。本当に出来なかったんですか?と後で尋ねたところ、笑ってはぐらかされましたが、最後はきちんと出来ているので、あれもネタなんでしょうがね。本当に汗をかいてたよなあ。

今回、この会はwebに案内を載せませんでした。お寺さんの報恩講の行事の一環で門徒さん向けの催し物を一般向けに紹介しても良いもんかという躊躇いがあったので掲載しなかったのですが、本光寺のご担当の方から、一般の方も是非いらしてくださいとの言っていただきましたので、来年からは情報が入り次第掲載したいと思います。ってもう10月17日19時と決まっていますが。来年は日曜です。皆さんも、是非遠慮せずに伺いましょう。

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き楽寄席、盛況御礼

10月17日(土)の、小つると勢朝のき楽寄席は、110名のお客様にお越し頂き、盛況でした。お越しくださったお客様、来れなかったけれども応援してくださっていた皆様には、心から厚く厚く御礼申し上げます。有難う御座いました。

くっしゃみ講釈 笑福亭小つる
ハイウェイ歌合戦(小佐田定雄作) 桂勢朝
道具屋 笑福亭小つる

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小つる師匠は、先日から声帯が細菌性の炎症にかかって声が出ないとの事で、会場入りした時も、ひどいガラガラ声で聞くに堪えん状況。場合によっては小つる2席を1席にして、勢朝さんに長い目にやっていただきましょうか、という事も考えていたくらいでしたが、ご本人は、やるからには何とか頑張ると仰り、それでもくっしゃみ講釈のほうが負担が大きいから最初に演っておきましょうと、プログラムの順序を変更しての上演となりました。
しかしなんと、くっしゃみ講釈の最初はしんどそうな声でしたが、徐々に声も出てきて1席目を終え、勢朝さんの高座の間にも喉のケアを続けて、道具屋では、言われんと調子が悪いとは判らん位に声が出ていましたね。さすがプロ!!と感じました。大したもんです。小つる師匠は、喉の調子が悪いながらもさすがの表現を見せてくれて、人物描写が素晴らしい。

そして、待ってましたの勢朝師匠。当たり前なら小つる師匠と勢朝師匠の二人会というと単純にギャラが倍になるので、うちの会の規模ではやれないんですが、勢朝さんが毎年10月17日にやっている小松市の本光寺寄席に、一昨年昨年と私も通わせて貰いながら、この日が土曜日と重なるのを待って、金沢にも来てくださいと、2年越しで実現させた企画でした。

ぼそぼそと喋るマクラから、名前どおりの勢いのある本編で、またネタの小佐田定雄さん作のハイウェイ歌合戦が、勢朝さんのキャラにピッタリはまって、いやー良かった。舞台袖で笑いをこらえるのに必死でした。次に土曜日と重なるのは何年後かな。また出て頂きたいですね。

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談笑のほっと寄席に行ってきた

8月15日の土曜日、昼のワンコイン寄席、夕方からのはひふへほっと寄席と続けて行ってきました。

『ワンコイン寄席』
饅頭怖い 桂宮治
金明竹 立川談笑
片棒 立川談笑

『はひふへほっと寄席』
ろくろ首 春風亭べん橋
紙きり 林家正楽
お菊の皿 立川談笑
(中入り)
江島屋騒動 一龍斎貞水

まずは昼席のこと。今回は仕事が休みの日でしたのでワンコインから行けました。濃かったわあ。これで500円は安すぎ。特に落語ファンとしては、今回は昼席のほうが良かったですね。

宮治さんが、プログラムのプロフィールによると、入門一年目。うそでしょ?その前に何か経験がおありなんでしょうが、聞いていて安心できる心地よい口演でした。

談笑さんは、お客の反応を探りながらのまくらから、東北弁版金明竹と、何だこの三兄弟は?の片棒。なんちゅうかもうね、説明しない、できない。私はもうずっぽりツボにはまりました。一目ぼれです。談笑さんご自身は客の反応を気にされていた様子でしたが、ちょっと戸惑い感はあったものの、全然大丈夫でしたよね。談笑さんには是非続けて金沢にいらして頂いて、金沢の落語ファンを洗脳してほしいなと思いました。

談笑さんに惚れた理由の一つには、観ていての心地良さも有りました。「私の落語は携帯電話くらいではびくともしません。全然気にしませんので。」なんて言われると、こちらも携帯電話の音くらいは気にならなくなるんですよね。

金明竹は、使いの人の関西弁が理解できずに困る話ですが、今回の談笑さんのは東北弁。私らが聞くと関西弁はなんとなく判るので、全く判らない東北弁のこのネタを聞くと、関東の人はこういう気持ちで関西弁の金明竹を聞いていたのかと妙に得心したりして。

談笑版片棒は、これはもう機会があったらお聞きくださいとしか言えない。説明しても面白さは伝わらないでしょう。葬式行列で、浦安からディズニーが出張で、ジャーファーが親父さんを蘇らせるわ、それを倒すのに、さあみんなでミッキーを呼ぼう!!と客席に声を求めるわ。私も勿論、呼びましたさ。あー恥ずかしい。

12時15分から始まって14時までたっぷり。手を抜かずにやってくださいました。観ていたほうも疲れた。あんな心地よい疲れは、大歓迎です。あたりまえなら3,000円でもいいプログラムでしたね。

そして、続いて夜席。

正楽さんが良かったです。6月のほっと寄席に続いての登場で、紙きりの内容は毎度お馴染みでしたが、今回は下座(お囃子)が良かった。聞いていて楽しくなるんです。演ってるほうも楽しんでるんだろうなあという感じ。「龍」の時は六代目松鶴の舟行きでしたかね。「蒸気機関車」のリクエストで正楽さんがちょっと手間取っていると、それに被せるように始まった鉄道唱歌がなんともいいタイミングでした。正楽さんもやられた!!という顔をされてましたが、その後「風の盆」のリクエストでは、なかなか出てこないお囃子に突っ込みを入れて、してやったりの顔も(笑)。

そして、リクエスト紙切りで終わるかと思いきや、美空ひばりの歌がBGMに流れ、プロジェクターのスクリーンでは紙切りの紙芝居。歌に合わせて歌っているひばりさん、歌詞の内容に合わせてのシーン、色々様々な紙切り絵が次々と出てくる。全部とは言わんが、かなりの部分が繋がっていたようですが、まさか巻紙から切られた本当に繋がったもんだったんでしょうか?まさかねえ。切った後に繋いだんだと思うんですが、あの正楽さんがそんな不恰好な事をするか?というと、しないような気もする。しかしあれがちゃんと繋がっているとしたら、本当に凄いわ。ろくろ首より恐ろしいぞ。人間国宝になってもいいんではないかとか、そんな事も思ってしまいました。

この紙切り紙芝居は、客席も本当に大喝采で、トリでもあれだけの拍手はなかなか無いぞ!!というもんで、次に出る談笑さんはきっついなあ、と心配しておったのですが。

正楽さんの余韻が覚めやらぬまま、談笑さんの出囃子の野球拳が鳴り始めたら、それに合わせて手拍子が起こって。うわあ、それも有りかあ?とびっくり。そのお陰でしょう、談笑さんもきっついどころかかえって気分よく出てこられた様子で。手拍子打ち始めたお客さんは今夜の隠れMVPやなと思いましたわ。

ただ、談笑さんも「昼席で燃え尽きて」みたいな事を言っていましたが、大ベテラン正楽と国宝貞水に挟まれた出番を意識して軽めにされてたんでしょうか、あるいは私ら聞くほうが、やはり正楽さんの余韻が残っていたんでしょうか、少し軽い感じがしました。

あ、いや、そう言っても、充分に十二分に面白かったですよ。ああいうお菊も有りかあ、というか、談笑さんが、まあ普通ののお菊になるとは最初から思ってません。心の準備が出来た意外さで、いやしかし、面白かった。

談笑さんって、顔は濃いし声は低くていい声で、どちらも存在感が凄いんですがね。私、顔が濃いとか声がいい噺家さんって、それが邪魔になって噺の世界に入り込めない(例えばまん我や春奈)と感じる事が多いんですが、談笑さんはそう感じないのが不思議でした。顔の濃さは、表情の人懐っこさや楽しげな様子で和らいでいるんでしょうかね。声については、音だけ聞いてても邪魔にならないので、これは話芸としての修練の賜物なんでしょうか。

しやしかし、昼夜続けて談笑3席は満腹になりました。満腹感を感じながらも、また聞かせて欲しいと思わせる、いい高座でした。

中入りを挟んでトリの一龍斎貞水さんは、さすが人間国宝!!。生で講談を聞くのは初めてでしたが、迫力が凄いですね。これは貞水さんだからこそなんでしょう。あと、講談って意外に判りやすいもんなんですね。初めての経験だしネタも出ていたので予習していかなきゃと思っていたのを、忙しさにかまけて忘れていてしまったんですが、ストーリーを知らなくてもちゃんとついて行けるんです。想像していたよりも落語に近いですね。ほっと寄席に講談ってどうよ?と思っていましたが、こうやって未経験の新しいもんに触れられる機会を設けてくれるちゅうのもいいもんですよね。

と言うことで、昼夜満足、げっぷが出るくらいに満腹した一日でした。

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8月1日「き楽寄席」感想

き楽寄席の模様をフォトアルバムにアップロードしました。

http://kanazawa-rakugo-news.txt-nifty.com/photos/kirakuyose200908/index.html

ここの会場は、狭いとか座りにくいとか暑いとか設営が難しいとか、色々問題が有るんですが、建物の雰囲気が良いし、お客席の雰囲気も良いし、なんだか良いなあと思わせてくれる何かが有りますね。私は高座には上がりませんが、開演前のご挨拶の時にも、お客席の暖かさというのを感じられるし、スタッフとしても本当に気持ちよく会運営をやれてますわ。収支を考えると、もう少しチケットを売りたかったですが、あれくらいが丁度でしたよね。

さて。今回は「餅屋問答」と「千両みかん」。一昨年は素麺を食べたくなったという声が多数聞かれましたが、今年はいかがでしたか?餅を食べたくなったという方は居ないかな(笑)。みかん食べたいは、ちょっと思った方もおられるんではないでしょうか。うちもみかんを買いました。千両とは言わんけど、やはり高かった。それでも番頭さんほど苦労はしませんですね。ありがたや。

それにしても、今回も小つる師匠の気合の入り方というと大変なもんでした。特に二席目冒頭は、長く付き合いのある私も「おぉっ」と思わず声を出したくらい。その期待を裏切らない、素晴らしい「千両みかん」でした。

千両みかんは仁鶴師匠につけて頂いたそうで、これに続けて、仁鶴師匠にはもう一つネタをつけて頂いて、最近それが上がったところだそう。いつか金沢で披露してくださるでしょう。これからますます楽しみです。

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志らく独演会に行ってきた

7月12日の日曜日、富山市での立川志らくさんの独演会に行ってきました。

会場は富山駅のそばの明治安田生命ビルの地下の小さなホール。アンダーグランドでライブハウスみたいやなーと思って入ったら中は映画館みたいな椅子。舞台の奥行きは狭くて、主な目的は何かな?というホールでしたが、落語にはぴったりの会場でした。

志らくさんの会は初めてでしたが、びっくりしたのが客層。比較的若い男性が多い。志らくの追っかけ?遠くからいらしてるのかもしれませんね。今までに経験したことの無い雰囲気でした。と言う私も県外からですが、私は女房と一緒で、会場ではうちの会の常連さんともお会いして、しかも偶然にも席が前後に並んで、色々話し込んでいたので不思議なグループだったかもしれません。

天災 立川志らべ
短命 立川志らく
中入り
真景累ヶ淵から豊志賀の死 志らく

豊志賀が凄かった。思わず泣いてしまいました。凄まじい豊志賀があまりにも哀れで。泣きながら涙を拭くのも忘れて見入ってしまいました。今思うと、いい年のおっさんが恥ずかしい。 いまだに思い出すと鳥肌が立つ気分です。

「豊志賀の死」はこれだけでも聞き応えのある噺で、例えばCDでしたら志ん朝のが素晴らしいと思っていますが、今回の志らくさんの高座では、「真景累ヶ淵」という座頭の金貸し宗悦が深見新左衛門に殺されることから始まる、宗悦の娘の志賀と園、新左衛門の息子の新五郎と新吉の、愛憎と因果が絡み合う長い物語の一部と言うことを冒頭にさっと説明されていて、それがクライマックスの演出に生きてくる、素晴らしい高座でした。

羽生村に向かうお久と新吉、その道中に怪我をして死にかけているお久の顔が豊志賀に。ここまでは私も心の準備が出来ていましたが、宗悦とお園でしたか、豊志賀以外にも出てきたのは驚きました。このために、冒頭に宗悦殺しとお園の死のあらすじを丁寧に説明されていたんですね。さすが。

特に、お久に、豊志賀が、宗悦が、お園が入れ替わり乗り移って新吉に迫ってくるこのシーンでは、高座の緋毛氈の照り返しまでが計算されているのかフットライト的な効果もあり、志らくさんの演技力と相まって、凄まじいものでした。それがまた怖さと共に哀れを感じて涙してしまったと。

次回は11月3日でしたっけか。また行きたいなと思っています。

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はひふへほっと寄席に行ってきた

30日の土曜日は、小学校二年の娘の運動会を最後まで観ずに、落語に走ってしまいました。だって、柳家さん喬ですよっ。1列目が取れたんですよっ。娘も許してくれますって、きっと。

さん喬さんは、幾代餅でした。紺屋高尾のような噺です。この人は、以前にも書きましたが、私の好みに直球ど真ん中。良かったわあ。人物の心理描写が素晴らしいんですよね。良かったわあ。余韻がしばらく続いていて、ぼーっとしていました。

前半には紙きりの林家正楽も出ました。この人は、以前にもほっと寄席に出てまして、兼六園というお題に琴柱灯篭を切ったり、松井選手というお題にバットを持つゴジラが火を噴いている絵を切ったりして楽しませてくれました。私も今回は1列目だし何か言わなきゃと考えて、トリがさん喬さんということで、五代目小さんをリクエストしました。一番に応えてくださったのですが、切ってくれたのが、ただの丸。微妙におむすび型で、そりゃ確かに小さんのシルエットだと判るんですがね。えーっ?!とずっこけていたら、目鼻も切ってくれました。出来上がり見たら、すごい!!宝物にします。

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ただね、続いて他の人のリクエストが、縁起物ばかり。楽しもうというよりも、戴いて帰るためのリクエストでしたわ(^_^;。

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小つると鶴瓶のき楽寄席盛況御礼

5月9日の「小つると鶴瓶のき楽寄席」は730名ものお客様にお越しいただき、大変な盛況でした。
ありがとうございました。

狸賽 笑福亭鉄瓶
始末の極意 桂宗助
ちりとてちん 笑福亭小つる
〜仲入り〜
青木先生 笑福亭鶴瓶
愛宕山 笑福亭小つる

私はもっぱら舞台袖に居ましたが、初っ端の鉄瓶さんから、ぶわぁっと笑いの波が来て、これは凄いなあと実感。730人の気というものは、本当に凄かった。これを引き出したのは演者さんでもあるし、その舞台をお膳立てした私たちやホールのスタッフの力でもあるし、何よりもお客さんの気持ちが力となってこそ。三者の力が合わさってのものなんでしょう。あの瞬間に苦労が報われた気がしました。

それにしても鉄瓶さんは良かったですね。元気があふれていて。8年目と言うことですから、前座と言うのはもう失礼な、東京だと立派な二つ目のキャリアなんですが、8年前には落語は全く知らない状態で鶴瓶さんに弟子入りされたそうで、それから8年であれは立派です。これからに期待したいですね。

続いて宗助さんも、熱気を継いで、面白かったですねえ。米朝一門らしく手堅い感じなんですが、何故か何か可笑しい。この人ね、素でもおっかしい人なんです。人柄が高座にも出ると言いますが、それなのかなあ。観ていてなんか楽しくなる感じ。それでも、終始にこやかな顔でありながら、ちゃんとわかりやすい人物描写なんですよね。やはりきっちりと米朝直弟子!!と感じさせてくれる高座でした。

そして小つるのちりとてちん。これはアンケートを見ても大変な好評でした。いわく「昼ごはんを食べ損ねていたので、食べるシーンでお腹が空いて辛かった」「本当に食べたことがあるんじゃないの?」等々。食べるシーンがよく取り上げられていましたが、それまでの人物描写でも表情仕草が素晴らしかった。そういった伏線が生きての飲み食いシーンでした。いい高座でした。

中入りあけて鶴瓶さん登場。この時のどよめきの波は、これはまた一層凄かったです。マクラからもうウケまくりのまま、私落語の「青木先生」。高校時代の実話を元に仕立てた落語で、見台を机に見立てて持ち上げたり、後ろを向いて黒板書きを演じたり、普通の落語ではありえない演出をしているんですが、それでもただのタレントトークではなく、ちゃんと落語と感じさせてくれるんですよねえ。お客さんの反応も大変なもので、呼吸困難で倒れる人が出るんじゃないかと心配になるくらいでした。

続いて大トリ、小つるの愛宕山。これは可笑しさよりも情景を見せてくれる噺です。今の時期にぴったりのネタ。新緑の中の山登り、はぁはぁぜいぜい言いながら登るさま、かわらけ投げの様子。当時の一等の娯楽であったであろう愛宕山詣りの様子を想像していただけたでしょうか。鶴瓶さんの青木先生の後でしたから、笑い疲れていて頭が回らなかった方もいらしたかもしれませんね。これもいい高座、本当にいい出来だったんですが、順序としてはクールダウン的なところも有って、まあ、これはお好きな方に良かったと思って頂ければそれで良しでしょうか。

話はそれますが、落語の楽しみ方としては、人物描写を中心に物語を楽しむ場合と、情景を中心に物語を楽しむ場合とありまして。ネタによってもそれぞれが有りますし、同じネタでも演者の演出がどちらを中心にするか違う場合も有るようです。勿論、どちらも大事にして演じられることもあるんでしょうし、観る人によってはどちらも同時に楽しめるのかもしれませんが、私レベルでは、まだ両方いっぺんには観れませんで、ついどちらかに注目してしまいますね。

まあしかし、今回はトップからラストまでハズレ無しの非常にレベルの高い会になりました。来られたお客さんはお得でしたよ。ほんとに。

本当にこんな良い会が出来て、熱演してくださった出演者の皆さん、特にお忙しいのに時間を割いて来てくださった鶴瓶師匠、力を貸してくれたスタッフ一堂、そして何と言っても会場に足を運んでくださったお客様に、心から感謝感謝です。

今度は夏ですね。そして色々有るか無いか。その後、来年の秋冬には、いよいよ枝鶴襲名本番です。これからも一層のご贔屓を、き楽寄席、および小つるに賜りますよう、御願い申し上げます。宜しくお願いいたします。

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三代目春団治のお玉牛

12日の成人の日、県立音楽堂の干支の芸能に行ってきました。お目当ては、三代目春団治のお玉牛。去年の干支の芸能のアンケートで、是非これをと書いたのですが、念願叶って、ナマ春団治のナマお玉牛です。感激だー。

春団治は素晴らしかったです。三部構成のうち落語は春団治の一席だけだったんですが、この一席だけのためにお囃子も来ていたようで、出囃子の野崎が流れて、ちょっと置いて袖から登場し、高座に座って頭を下げるのが野崎のちょうど良い所で。どこの会場でやっても、これがぴたりと決まるんでしょうね。正月を意識されてか黒紋付で、話をしながら羽織紐を解いて袖を持ってしゅっとやると、魔法のように羽織がすとんと。これもまた何度見ても魔法のよう。後ろに後見が付いているんじゃないかとか思わせるくらい。

見た目ばかりでなく、肝心の落語ですが、もちろん素晴らしい。ぼそぼそっと喋りだすんですが、けどちゃんと届いてきて、いつの間にか引き込まれるんですよね。若いもんが集まって女子の話をしているその様子が若々しくて可愛らしくて、お玉ちゃんは初々しい女子で、お母ちゃんはちゃんとお母ちゃんで、牛は素晴らしく牛で。この牛の様子を見れただけでも、来た甲斐があった。新年早々、いいもんを見させてもらいました。

実は、この公演は狂言・落語・清元の三部構成で、清元で踊った三人の女性が北陸出身の方たちで、お客さんもその関係の方が多かった様子でして、春団治の本当に素晴らしかった高座でもね、拍手が少なかったんです。これはやはり残念なんですが、公演の趣旨からすると仕方が無いかなと思うし、そういうお客さんでも、夜這いをかける男と牛の滑稽さには笑い声も上がり、芸の素晴らしさはちゃんと伝わっている。落語ってただ笑わすだけじゃないという事を知ってもらうのに、春団治のような素晴らしい本物を出してくれるのが、この公演の凄いところですね。ウケだけを考えれば、もっと名前が売れていて、芸よりもトークで笑わすのが上手い人を呼んでもいいんでしょうけど、その道を選ばないところが偉いと思う。これは例えば、私は狂言は門外漢なんですが、分からんながらも、面白いなあ、凄みがあるなあと感じさせるのは、やはり本物の芸達者がやっているからだと思うのです。

でもねえ、意外と主催の人たちの個人的な趣味で、濃い人選をしてるだけだったりして。(笑)

来年の干支の芸能は寅ですね。落語は入るかな。アンケートには「初天神を」と書いてきました。笑福亭のお家芸ですからねえ、「鶴瓶さんで」と書きましたが。願いは叶うでしょうか。

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赤羽亭に行ってきた

9月24日の水曜日、北國新聞赤羽ホールで行われた赤羽亭東西落語会に行ってきました。

子ほめ 桂まん我
代わり目 桂千朝
祝いのし 桂春團治
(中入り)
西行鼓ヶ滝 林家正藏
子は鎹 桂ざこば

会場の赤羽ホールは初めて入りました。500席とそこそこの規模なんですが、場内はコンパクトにまとまっていて、どこに座ってもよく見えそう。私は1列目でしたが開演前に一番後ろまで行ってみました。場内は階段席になっていて、一番後ろは2階に相当しそうなくらいの高さで、よく見通せます。ほかの人の頭とかあまり気にならないかも。

肝心の内容は、レベルは高いんですが笑いは低調でした。
落語ファンじゃない人が多かったのかな?

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はひふへほっと寄席に行ってきた

8月19日の火曜日、石川県立音楽堂のはひふへほっと寄席に行ってきました。

道灌 柳亭市朗
読書の時間 三遊亭王楽
(漫才) ロケット団
片棒 柳亭市馬
〜仲入り〜
(物まね) 江戸家小猫
三年目 三遊亭好楽

私は今回は体調が悪かったのかなあ。なんかのれませんでした。

市馬さんは良かったです。凄いなと思ったのは、次男が考える葬式で祭囃子をやる所、笛を吹く仕草の指の動き本当に笛を吹いているみたい。NHK教育テレビのクィンテットと言うパペットが音楽をやる番組があって、人形なのにトランペットの指使いやバイオリンのボウイングを凄くリアルにやっている(だと思うんです。多分フルートやクラリネットも拘っているんでしょうけど、あれはよう判らん。)んですが、あの感じです。

市馬さんのそれは本当に笛を稽古した上でやっているんですかね。あるいは、笛の指の動きに見えるようにやっているんですかね。リアルなのかデフォルメなのか判りませんでしたが、リアルに見えましたわ。ただ、そこから笛が見えるような気まではしなかったのは残念。でもシーンを考えると家の中で息子が妄想しているシーンだから、どら息子ののんきな風で、あれでいいのか。

市朗さんは、入門三年目だそうですが、声もよく出ていたし、上手いなと感じるところも多々有りました。これからに期待したいですね。王楽さんのネタは桂三枝作。三枝さんのネタは他の人がやっても難しいと思っていましたが、このネタはいいですね。ネタの良さか王楽の上手さか。良かったです。王楽さんもこれから注目して行きたいと思います。市朗・王楽が今回の収穫でした。

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